「池田会長も私も、
生涯を通して、世界中を駆け巡ってきましたね……」
ゴルバチョフ元大統領が、
来し方を振り返るように話した。
池田SGI(創価学会インタナショナル)会長は応えた。
「その通りです。
あなたは、歴史に輝く偉大な指導者です。
私も世界で、忘れ得ぬ思い出を幾つも刻んできました。
平和のため、人類の未来のために、
各国のリーダーや識者と胸襟を開いて対話を重ねてきました」
2009年12月9日、東京国際友好会館での会見。
語らいは既に10度を数えていた。
初の出会いは今から24年前。
1990年7月27日、場所はモスクワのクレムリン。
SGI会長のこんな言葉で、四半世紀の友情は始まったのである。
「きょうは、大統領と“けんか”をしに来ました!
火花を散らしながら、何でも率直に語り合いましょう。
人類のため、日ソのために!」
氏の人なつこい笑顔がはじけた。
「池田会長の活動はよく存じ上げていますが、
こんなに情熱的な方だとは――」
「私も率直な対話が好きです。
本当に、池田会長とは、昔からの友人同士のような気がします」
会談では、“来春に訪日したい”という
大統領の意向が明かされたことから、
同日夜のNHKニュースが大きく報道。
日本の主要各紙も、翌日付の1面トップで伝えた。
ソ連でも、モスクワ放送のテレビ、
「プラウダ」紙が大々的に報じた。
会談での約束通り、氏はソ連の最高指導者として、
翌91年4月に初来日。
分刻みのスケジュールの中、2人は18日に、
東京の迎賓館で再会を果たした。
中略
辞任の4ヶ月後(92年4月)、
東京で氏と会ったSGI会長。
「『偉大なる道』は、
偉大さのゆえに多くの困難があり、
苦渋もある。長い戦いとなる。
しかし『偉大なる道』には
未来の喝采が待っています」と――。
そばには初めて、ライサ夫人も一緒であった。
翌93年4月24日、
ゴルバチョフ氏夫妻は創価大学を訪れる。
前日の23日、都内の宿舎に表敬した際、
SGI会長は、恩師・戸田城聖第2代会長の教えを、
そのまま伝えた。
「私たちは200年先を目指すのだ。
その時に、この道の正しさを歴史が証明する。
後世の人類が証明するよ」
24日、氏は「人類の未来と新思考の哲学」
と題して来学記念講演を。
その後、SGI会長夫妻は、合掌造りの古い民家を
そのまま移した大学の「万葉の家」に、夫妻を招いた。
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