恩師に学ぶ

公開日: 社長日記



恩師に学ぶ
1950年(昭和25年)、
わが師・戸田先生の事業が窮地に陥り、
先生も学会の理事長を辞められた大苦難のころであった。

給料は出ない。
社員も次々に辞めていく。
私はただ一人、先生にお仕えしていた。

戸田先生は、広宣流布の大師匠であられる。
この先生を護ることこそが、学会を護ることであり、
さらに大仏法の命脈を護ることであると、
私は死力を尽くして奔走した。

その日、先生と私は、埼玉の大宮方面へ、
打開策を求めて足を運んだが、
奮闘むなしく不調に終わった。

帰途、先生と荒川沿いの土手を歩いた。
夜風が冷たかった。
天座の星々は、あまりにも美しかった。
負け戦の師弟の姿を見守り、輝いていた。

すり減って穴のあいた私の靴の紐が、
ほどけてしまった。私は結び直しながら、
師の心を少しでも和らげたいと思って、
当時、大変に流行していた歌を歌った。

その歌の「星の流れに……こんな女に誰がした」
(清水みのる作詞「星の流れに」)というところを、
「こんな男に誰がした」と愉快に歌った。

すると、師匠である先生が
笑みを浮かべながら、一言、
「俺だよ!」と言われた。

生きるか死ぬかという苦難の渦中である。

私は決心した。
いな、幸福であった。
先生さえ健在なら、何も心配ない。

いな、だからこそ、
弟子である私は、断じて戦い抜くのだ!
今度こそ、断じて勝ってみせるのだ!

この光景は、今でも忘れることのできない、
埼玉の満天の星空の下で飾り残された、
師弟の劇であり、歴史である。

先生は、よく私に語られた。
「人生、行き詰まった時が勝負だぞ!
その時、もう駄目だと絶望し、
投げやりになってしまうのか。

まだまだ、これからだと、
不撓不屈で立ち上がるのか。
この一念の分かれ目が勝負だ!」

そう言われながら、私の精神に
深く厳として打ち込んでくださった。

「いいか、大作、
途中に何があろうが、
最後に勝て!
断じて勝て!
最後に勝てば、全部、勝利なのだ」

私には、一日一日が激戦の連続であった。
瞬時も、感傷にひたる暇など、なかった。

師のために、億劫の辛労を尽くしゆく
苦闘の連続の胸中にこそ、
永遠に常勝不敗の大城が築かれていることを、
私は深く実感したのである。

厳然たる仏法の因果の理法に照らして、
未来の栄光の大果報を、私は師弟の魂の響き合いから、
強く確信した。

戸田先生と私は、
この悪戦苦闘の荒れ狂う嵐を突き抜けて、
翌年の晴天の5月3日、第二代会長就任の、
晴れ晴れとした勝利の朝を迎えたのである。

艱難と戦い抜いてこそ、
初めて偉大なる生命の底力が開花されるのだ。

最大の試練の時に、
最大の力を奮い起こした人間が勝つのだ。

ここに、峻厳なる歴史の法則がある。

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