恩師に学ぶ

恩師に学ぶ

社会に法律がある。 自然界に法則がある。 同様に生命にも法則がある。

たとえば、
道路交通法という法律があります。
これは、円滑に車が走り、また、
人命を守るために、つくられたものです。

そして、私たちは、たとえば、
信号が赤になれば止まり、
青になれば進むことができると教わり、
それを守ることによって、安全に往来することができます。

しかし、もし、それを知らずに、
あるいは、せっかく教わっても、
聞き入れようとせず、歩行者が赤信号を渡れば、どうなるか。
必ず車にはねられるなどの事故に遭うことになってしまいます。

道路交通法以外にも、
国で定めた法律は、たくさんあります。
それを破って、窃盗や詐欺を働いたりすれば、
裁きを受けなければならない。
そうなれば、被害者だけでなく、自分も不幸になってしまう。

また、人が定めた法律ではありませんが、
自然界にも、自然界の法則があります。
たとえば、日本の国に四季があるのも、その一つです。

この法則を知り、活用して、
米なども田植えの時期を決め、
秋に収穫してきました。
しかし、それを知らないで、
秋に田植えをしても、収穫は望めません。

同様に、大宇宙を貫く、
生命の根本の法則というのがあります。
それが仏法であり、その根源の力が
南無妙法蓮華経なんです。

人びとは、国法については知っている。
また、自然界の法則も学び、そこから、
科学の進歩も生まれてきました。

しかし、人間が幸福になるための、
大宇宙の根本法則、生命の因果の理法は知りません。

真実の幸福を創造していくには、
その根本の法則を知り、
それに則して生きていくことです。

その仏法を、人びとに教えていくのが、
私たちの広宣流布です。

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両立の苦労こそ、人生の財産。 すべてをやり抜く決意を固めることが大事。

結論を先に言えば、
いかなる状態にあっても、
必ず、すべてをやりきると決め、
一歩も退かない決意をもつことです。

人間は厳しい状況下に置かれると、
ともすれば、具体的にどうするかという前に、
もう駄目だと思い込み、諦めてしまう。

つまり、戦わずして、
心で敗北を宣言しているものなんです。
実は、そこにこそ、すべての敗因がある。

自分は仕事も学会活動もやりきるのだと決め、
時間を見つけて、ともかく真剣に祈ることです。
そして、生命力と知恵をわかせ、工夫していくことです。

不思議なもので、青年にしても、あるいは壮年にしても、
見事な戦いをしている組織のリーダーというのは、
むしろ、仕事が多忙な人が多い。

そのなかで、必死になって活動している姿が、
みんなの心を打ち、周囲も本気になって
頑張ってくれるんです。

いかなる場合でも、青年時代に、
仕事も、学会活動もやりきったといえる
戦いをすべきです。

それが人生の基盤になるからです。

戸田先生も、よく
『信心は一人前、仕事は人の三人前働きなさい』
と言われていた。

こう言うと、一日は二十四時間しかないし、
体も一つしかないのに、仕事も頑張れ、
学会活動も頑張れというのは、
矛盾しているのではないかと、思う人もいるでしょう。

もしそれを矛盾というなら、
すべてが矛盾になってしまう。

現実の生活のなかで要請されていることも、
考えてみれば、相反していることばかりです。

仕事で何かを生産する場合も、
よい製品を作れと言われる。
それには、より多くの時間がかかるのに、
早く作ることが求められる。

諺などもそうです。
『武士は食わねど高楊枝』とあれば、
『腹が減っては軍は出来ぬ』というのもある。
『人を見たら泥棒と思え』というかと思えば、
『渡る世間に鬼は無い』という。

御書にも、一見、相反するかのように思える
御指導もあります。
たとえば、ある御手紙のなかでは、
たった一遍の題目でも成仏できると仰せになっています。

しかし、別の個所では、
どんなに題目を唱えても、謗法があれば、
全く功徳はないという意味の指導をされている。

また、ある御手紙では、
百二十まで生きても、名を汚して死ぬよりは、
一日でも名をあげることが大事であると述べられている。

ところが、ほかのところでは、
若死にしてしまえば、なんにもならない
との仰せもあります。

何事にも両面があり、
一方に偏らないからこそ、
人間的なんです。

つまり、人間が生きるということは、
相反する課題を抱え、その緊張感のなかで、
バランスを取りながら、自分を磨き、
前へ、前へと、進んでいくということなんです。

だから、仕事なら仕事だけ一本に絞れば、
すっきりすると思うかもしれませんが、
何かを投げ出そうとするのは誤りです。

仕事、勉強、そして、学会活動と、
大変であることは、よくわかっています。

しかし、苦労して、それをやり遂げていくところに、
本当の修行があり、鍛えがある。
また、その苦労が、諸君の生涯の財産になるんです。

苦しいな、辛いなと思ったら、
寸暇を見つけて祈ることです。
祈れば、挑戦の力がわいてくるし、
必ず事態を開くことができます。

そして、やがては、自由自在に、
広宣流布のため、活動に励める境涯になっていきます。

皆、苦労をすることは損だと思っているが、
長い目で見れば得です。
それが、全部、人生の財産になる。

だから、うんと苦労し、
苦労を楽しもうよ。

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青年に知識や技術を教える学校はある。
しかし、人生や生き方を教え、
生命を練磨する教育機関はない。

だが、そこにこそ、
人間教育の基本がある。

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